ケアマネ受験対策講座
介護支援分野
第21回本試験
問題29 次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 腹囲は、メタボリックシンドロームの診断に使われる。
2 血清アルブミン値は、栄養状態の指標とはならない。
3 血中尿素窒素(BUN)は、腎機能の指標となる。
4 白血球数は、細菌感染で減少する。
5 AST(GOT)は、心臓の疾患でも上昇することがある。
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解答・・・1,3,5
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1:正しい。メタボリックシンドロームは、内臓肥満と高血圧、
脂質異常、高血糖などが合わさった状態のことをいいます。
内臓肥満と判断されるのは、
腹囲が男性85㎝以上、女性が90㎝以上となります。
この腹囲と合わせて、
血圧、空腹時血糖、脂質の基準のうち、
2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームであると診断されます。
2:誤り。血清アルブミン値は、栄養状態を評価する指標として、
重要なものですね。
3.5g/dl以下を栄養不良であると判断し、
栄養状態改善のためのアプローチを行います。
アルブミンは肝臓で作られるたんぱく質の一種です。
肝機能が低下すると、このアルブミン生成機能も低下するため、
数値もさがります。
そのため、
アルブミンが低値を示す場合には、
栄養状態の低下の他に、
肝機能低下も疑いますね。
併せて押さえておきましょう。
3:正しい。BUN(尿素窒素)は、腎臓が十分に機能しているかどうかを判断するものです。
腎臓というのは、いらないものはろ過しておしっことして外にだしますし、必要なものは再吸収する役割があります。
正常に機能していれば、
尿素窒素のような老廃物は体外へ、おしっことして出されますが、
機能低下が起きているとうまく出すことができず、
体内に尿素窒素が残ってしまい、
値も高値になります。
つまり、尿素窒素は上昇するわけですね。
4:誤り。白血球数は、細菌感染により上昇します。
反対に、ウイルス感染により低下します。
白血球というのは、
免疫機能です。
身体に入った異物や細菌、ウイルスに対して、
攻撃し、排除します。
お医者さんは、この白血球数の増減により、
身体のどこかで炎症を起こしたりしていないかを予測します。
ただ、この数値は、
かなり個人差が大きく、また日内変動もあります。
実際の取り扱いとしては、
増減によって、安易に判断できないものではあるのですが、
試験対策的には、
細菌感染とくれば、白血球数は増加。
ウイルス感染とくれば、白血球数は減少。
このように押さえておくといいですね。
5:正しい。AST(GOT)は、主に肝機能の検査に用いられます。
ASTというのは、たんぱく質を分解してアミノ酸をつくる酵素です。
この酵素は、肝臓だけでなく、心臓などにも存在します。
肝臓や心臓などの臓器に何らかの障害があると、
血液中にASTがもれ出します。
アルコール性肝炎や、肝硬変、心筋梗塞、うっ血性心不全など、
このような場合に数値が上昇します。
解説は以上です。
音声解説はこちら:
http://kbsakura.site/waPtn8F3.mp3
インデックスカード暗記
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表
メタボリックシンドローム 診断指標
裏
腹囲(男性85㎝以上、女性90㎝以上)
高血圧
高血糖
高脂血症(脂質異常症)
2つ以上
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表
アルブミン 低値2
裏
栄養不良
肝機能低下
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表
肝臓 働き2
裏
1:たんぱく質生成機能
2:解毒機能
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表
BUN 上昇 原因
裏
腎機能低下
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表
腎臓 働き2
裏
1:ろ過機能(おしっこ)
2:再吸収機能
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表
白血球数 増加
裏
細菌感染
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表
白血球数 減少
裏
ウイルス感染
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表
AST(GOT) 上昇
裏
肝疾患、心疾患
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