ケアマネ受験対策講座
介護支援分野
第21回本試験
問題36 次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 高齢者の低栄養状態を改善するには、水分を多く摂取することが重要である。
2 介護保険施設では、入所者全員について栄養ケア計画の作成が義務付けられている。
3 栄養マネジメント加算の要件には、栄養に関するスクニーニング、アセスメント及びケア計画の作成が含まれる。
4 高齢になっても、味覚は低下しない。
5 認知症の高齢者への食事摂取の促しとしては、声かけ、見守りなども重要である。
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解答・・・3,5
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1:適切でない。高齢になるほど、低栄養の割合は多くなります。
低栄養により、運動機能低下や筋力低下、免疫力低下、床ずれや傷の治癒能力低下など、さまざまな弊害が起きますね。
高齢者が低栄養になる原因としては、
食事量の低下や、活動量の低下、
ストレスや不安、疾患によるものなど様々です。
低栄養状態の改善方法としては、
必要に応じてかかりつけ医に相談したり、
食事内容の工夫や、食習慣の改善、
低栄養に至る原因を探ることが大切ですね。
水分の補給は必要ですが、
低栄養の改善に水分を十分とることが適切とは言えませんね。
2:適切でない。栄養ケア計画というのは、
介護保険施設等において、栄養マネジメント加算を算定する時に、
作成しなければならない計画のことですね。
入所者の栄養状態を確認し、管理栄養士、医師、看護師、介護支援専門員、その他の職種が、協力して個別的に摂取、嚥下機能、食形態に配慮した栄養ケア計画を作成し、入所者・家族に同意を得ることとされています。
管理栄養士を配置して、
この栄養ケア計画に基づき、個別の栄養管理を行い、
栄養状態について記録を取り、進捗状況を定期的に評価し、
適宜計画の見直しをすれば、栄養マネジメント加算が算定できます。
栄養ケア計画は栄養ケアマネジメント加算を算定するには、
作成しなければなりませんが、
栄養ケア計画の作成、という前提だけの場合には、
全ての利用者に作成するという解釈は適切ではありませんね。
3:適切である。設問2の解説の通りです。
栄養ケア計画を作成し、個別に栄養管理を行い、
記録を取り、評価をし、計画の見直しをすれば算定できます。
4:適切でない。高齢になるにつれて、味覚は低下していきます。
味覚は、舌の表面の粘膜に存在している、
味蕾(みらい)という部分で感知されます。
味蕾細胞は、年齢とともに減少していきます。
若年者であるほど、細胞の数は多くなります。
高齢者と新生児の味蕾の数を比べると、
高齢者の味蕾細胞の数は、新生児のおよそ半分から3分の1になります。
味を感じる細胞の数が少ないということは、
それだけ味覚が低下しているということになりますね。
5:適切である。認知症高齢者は、記憶障害、理解・判断力低下、
実行機能障害、失語(言葉がうまく使えない)・失認(五感認知困難)・失行(動作困難)といった、
症状があります。
食事摂取においても、
この影響により、
落ち着いた環境作りや、
食事形態の工夫、食事提供量の工夫などが必要ですね。
もちろん、
本人の状況に対して、
適切な声かけや見守りも必要です。
解説は以上です。
音声解説はこちら:
http://kbsakura.site/LQAQk1No.mp3
インデックスカード暗記
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表
介護保険施設 栄養マネジメント加算 算定要件
裏
1:管理栄養士配置(1名以上)
2:栄養ケア計画
(スクリーニング、アセスメント、プランニング
同意、モニタリング)
3:栄養管理
4:定期的記録(栄養管理)
5:定期的評価、定期的見直し
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表
高齢者 味覚
裏
低下(味蕾減少)
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